民泊を運営している方は必ず1度は料金設定で頭を悩ませます。
料金設定で失敗するホストや代行業者は、近くのライバル物件の相場に合わせて設定をしています。
一方で、利益をあげ続けているホストや代行業者は、相場をあまり意識していません。
この違いは何かと言うと、
ゲストはその部屋のコストパフォーマンスに見合っているかで泊まるか決定しているのを知っているかどうかです。
ですが、「それだけでうまく料金設定ができたら苦労しないよ…」と思われている方もいらっしゃるでしょう。
料金設定はデリケートかつ経験が問われてくる重要な作業になります。
私は長らく民泊運営に携わっていますが、毎日の料金チェックは欠かしません。
また、民泊にはその地域の相場がありますし、保証金のような個人の物差しで決めなければならない料金は、間違えるとゲストの眼中に入ることはないでしょう。
そのため、物件を運営する地域ごとに相場をリサーチして料金を決める、季節やイベント、ゲストの利用状況によって割引・割増を行うなど、
価格を調整して稼働率を確認、結果をみてまた価格を調整。トライ&エラーをしてきたおかげで、今もこの業界で生き残れています。
しかし、多くのホストが料金設置の調整の仕方の基準を知らない方も多いです。
なので、この記事では
・知らなきゃ絶対損する各料金設定の相場って何?
・Airbnb特有の料金設定とツールの種類!
・Booking.comでしか使えない料金設定の仕方!
についてお話して、民泊代行業者として8割の稼働率をあげたことがある私が今現在も実践している方法を公開したいと思います。
もう一度言いますが、実際に売上をあげ続けている料金設定ポイントになりますので、ぜひ最後までお読み進めてください。
Contents
絶対に覚えておきたい!!料金設定の相場と設定の基準!
まずは各料金設定の相場と基準についてお話しましょう。
1度申し上げましたが、旅行サイトで設定できるのは、
・基本料金
・料金の割増
・長期滞在割引
・清掃費
・保証金
の計5つです。
それぞれどのように設定していけばいいのかを説明して、いくらくらいで設定するべきかをお伝えしていきます。
基本料金
物件の料金の基礎となる、設定必須の項目です。
この料金を基準に、割増するか割引するかを決めます。
基本料金の相場は、
オンライン予約サイトの料金相場は1人2000~3000円ほど
2人用のワンルームで4000~5000円ほど
となっています。
上記の例はあくまで平均相場なので、自分で調査して設定するのがオススメです。
ポイントは、同じ条件のリスティングを調べて、集客ができている価格帯をマネするのが一番手っ取り早いです。
例えば、
大阪市で運営する貸切タイプで、4人部屋2ベッドの部屋
を運営する場合、Airbnbなどのサイトで条件が一致した部屋を検索します。
大抵のサイトにはフィルター機能があるので、さらにご自身の物件に合った条件に絞り込んでいきましょう。
上記の条件に追加して、
西成区、寝室が1室、バスルームが1室
の条件を追加して検索すると、
このような結果が出ました。
パッと見た感じ、10,000円前後の料金が多いようですね。
さらにこの状態で左上の「料金」をクリックすると、詳細な平均金額が出てきます。
平均価格は9,257円という結果が出ました。
と思うかもしれないですが、もしご自身の物件がオープンしたての場合、またレビューが少ない場合は少し料金設定の方法は変わってきます。
次はそれについてのお話です。
オープン当初はかなり安くする
見出し通りの意味なのですが、オープン当初は料金設定を2~3割ほど安く設定することをオススメします。
何故なら、物件のリスティングにいいレビューを貯める為。
あなたも低評価のレビューが多い物件には泊まりたくないですよね?
それと同じで、レビューで予約を決めるゲストも増えているほど。
それくらい、星5のレビューが集客に大きく影響してきますし、収益が上がる民泊物件に育ちます。
なので、最初のうちは平均よりも安く料金設定をして、
というレビューをたくさん獲得して、物件を育てることに注力しましょう。
Airbnbの場合だと、サイト内レビューを高くしておくと、検索上位に上がるので、こちらも視野に入れておきましょう。
しかし、1つだけ注意点があります。
それはあまりに下げすぎると、その地域の価格帯を破壊してしまう可能性があるということです。
あなたが運営する地域の相場に合わせた値下げをしないと、その地域のホストとの値下げ競争になって両者両損という結果になりかねないので、下げても2~3割程度にしておきましょう。
料金の割増
宿泊業において、ある特定の期間だけ値上げをすることは収益を伸ばすことに繋がります。
2つほど例を挙げましたので、料金設定の際の参考にしてみてください。
週末料金
週末(金土曜日)は部屋が埋まりやすいため、2~4割ほど料金をあげても大丈夫です。
現在のホテルの稼働率は60%と高回転ですが、週末になるとさらに稼働率が上がり、満室になってしまいます。
そのホテルに泊まれなかった人たちが民泊を利用するわけです。
この状況であれば、多少値上げしても客足は落とさずに運営ができます。
しかし、その地域のホテルの稼働具合や他の競争相手の価格帯に依存するところがあるため、地域の相場を把握しておくのが大事です。
ハイシーズンやイベント時の料金割り増し
ゴールデンウィークや夏休みなどの観光客が多く訪れる時期(ハイシーズン)は観光客が急増するので料金を上げてもOKです。
また、2020年にある東京オリンピック2025年に開催される大阪万博など、民泊が繁盛している地域で大きなイベントがあり、そのシーズンの際は大きく値上げしても集客はできます。
この2つのイベントの他にも、ミュージシャンのライブなど大きなイベントが定期的に開催される地域では大きく値上げしても集客ができます。
例えば、アイドルグループ「嵐」のコンサートなどが例に挙げられます。
東京ドームなどでコンサートを行う場合、周囲のホテルは嵐のファンで溢れかえるので、ある程度高くてもゲストは泊まってくれます。
3~4割増ししても来てくれるので、民泊ホストにとってはこんなにおいしい話はないです。
宿泊施設はみんな値上げすると思うので、周りの値上げの状況を見ながらちょうどいい塩梅を見つけていきましょう。
長期滞在割引
長期滞在の顧客をターゲットにしたい場合に設定するべき割引設定です。
このようなお客さんの予約を取るメリットは清掃の手間がかからないという点です。
短いスパンでゲストが宿泊してくる場合、チェックアウトのたびに清掃をしなければなりません。
しかし、1週間~1か月程度の長期滞在はゲストの要望がない限りは清掃に入らなくて済むので、清掃代行に委託していないホストの方にとっては手間を省く運営形態になります。
逆に言えば、清掃代行に委託しているかたにとっては、清掃の回数はあまり関係ないので無縁な料金設定かもしれませんね。
OTA(オンライン旅行サイト)のシステム上、設定できる長期割引の最少期間は1週間です。
1週間なら5~6泊分の料金まで引き下げるのが一般的なので参考にしてみてください。
清掃費
ゲストに請求する清掃1回分の料金です。1泊分じゃないところに注意してください。
清掃料金の相場は実際に委託している清掃代行業者に払う料金の実費が基準になります。
逆に清掃代行に委託しているのなら、清掃料金を設定しないと損失になってしまうので、設定を忘れないようにしましょう。
なお、OTAサイトでは、基本宿泊料金と清掃費は別々に設定するシステムになっています。
検索画面でもきちんとリスティング文章で説明をしてあげないといけません。
結構クレームに繋がりやすい項目なので、注意してください。
保証金の設定は慎重に!
俗に言う「デポジット」のことです。
保証金については、意見が二極化していて、「保証金をとると予約が落ちる」と「もしもの時にリスクヘッジに」と意見です。
民泊の場合は備品などがゲストによって破損・紛失したときに請求することができる後払い金での請求になります。
わかりやすく言えば「何かやったら弁償してもらうからね!変なことしないでね!」と宿泊前に忠告をするシステムと言えます。
心配症な方は保証金を多めに設定してしまうところですが、高めな保証金設定はゲストを「ぼったくられるかもしれない」と心配させてしまいます。
高すぎず低すぎず、10,000~20,000円くらいの設定がベストです。
保証金に関してはこちらの記事に詳しく記載していますので、よろしければ併せてお読みください。
最近は保証金の設定をしない方も増えています。
なぜかと言うと、Airbnbでは、ゲストが部屋の家具を破壊したなど、万が一の事故があった場合に、100~5,000米ドル(1〜5万円)までの補償金を請求できるシステムが用意されています。
なので、ゲストの保証金は、基本的には0円でも大丈夫と言う認識です。
しかも、Airbnbでは、最高約1億円まで補償してくれるホスト補償があります。
ただし、金銭、有価証券、収集品、希少価値のある芸術品、宝石、ペット、対人などについてはホスト適用対象外となっていますので、貴重品などは必ず金庫などの安全な場所か、そもそも物件には置かないようにすることをおすすめします。
また、老朽化や摩損に伴う損傷もプログラムの対象外となりますので、補償サービスを利用する際は注意が必要です。
料金設定の例1 ~Airbnbの便利ツールに惑わされず、妥当な料金を設定しよう!~
ここからは実際のサイトを例に挙げて、適切な料金設定の仕方を説明していきます。
まずは民泊最大手のシェリングエコノミーサイト「Airbnb」を例に挙げてお話していきます。
民泊を運営するなら絶対登録しなければいけないサイトですが、一体どのように料金設定をしていけばいいのでしょうか?
結論から先に述べるなら、
「便利なシステムに甘えすぎるな」
です。
では、お話していきましょう。
「平均」ではなく、「妥当」を見極めろ
Airbnbの料金設定の操作感としてはなかなかに快適です。
画像のように、日付を指定して一括で編集ができるのでそこまで手間はかかりません。
他にも、
・ゲストが支払う予定の額と、ホストが受け取る金額を算出してくれる「料金計算ツール」
・過去のデータや平均料金から算出する「推奨料金設定」
・類似のリスティングの需要の変動から料金を割り出す「スマートプライシング」
など、ホストの手間を省いてくれる機能が多く備わっています。
ですが、これらのツールを使った料金はその地域の「平均」価格になる可能性が高いので、ご自身で調査して料金を割り出した方が「妥当」な料金を算出しやすいです。
どういうことかというと、例えばあなたがホストとして参入する地域にある民泊の料金がすべて4,000円前後であるとしましょう。
この状態であれば、あなたも4,000円前後の料金設定になると思います。
しかし、その価格帯に、1泊10,000円の民泊があったら平均価格はどうなるでしょうか?
もちろん、平均価格が上がってしまいますよね。
4,000円が4件、10,000円が1件の場合、平均価格は5200円になります。他の民泊よりも料金が1,000円も高くなってしまいます。
なので、「平均」ではなく「妥当」な料金を見定めることが必要なのです。妥当な料金の観点から見れば、4000円前後の設定がいいというのは一目瞭然ですからね。
相場がわからない初めのうちはAirbnbの便利なツールを利用してもいいと思いますが、慣れてきたときにはご自身で設定できるように料金の調査を進めておきましょう。
Airbnbで「集客ができて売上も上がる料金設定」を見つけるコツ
「平均」ではなく「妥当」を見極める大切さについては皆さんお分かりいただけたかと思います。
参入時の料金は妥当よりも安い料金が適切ですが、ある程度慣れてきたときには少しずつ料金を上げて、「収益が高いけど、妥当な料金」を探していきたいところです。
ですが、闇雲に上げても高すぎて集客ができなかったり、集客はできるけど売上が上がらなかったり、バランスが難しいです。
実際にどのようにして具体的な料金を決めればいいのでしょうか?
この疑問には,
上の画像の赤い矢印が教えてくれます。
これはAirbnbのシステムの判断で「めっちゃ高い価格設定だよ!」というのを示してくれている目印です。
この赤い目印が消えるか消えないかのギリギリのラインを探すことが、ウマい適正料金を見つけるコツです。
Airbnbのシステムからすれば高くないという判断ですし、他の民泊の妥当料金よりも高い設定になるので、集客もできて収益が得られる料金になるわけです。
私もこの方法で料金設定を行っていますが、外したことは1度もありません。
ですが、高評価レビューがない状態から実行してもお客さんは泊まってくれないので、ある程度レビューが貯まってからやった方がいいですね。
■料金設定の例2 ~Airbnbが器用すぎて辛いBooking.com!だからプロモーションを上手く使いこなそう!!~
次は大手のOTAサイト「Booking.com」を例に挙げてお話しましょう。
Booking.comについて詳しく知りたいという方は、こちらの記事も併せてお読みください。
民泊を扱っているといっても、こちらは元々ホテルをメインに扱っていたサイトなので、Airbnbのようにスイスイと料金設定ができるというわけではありません。
推奨料金設定や料金計算ツールのような便利なツールがあるわけでもない。
そんなBooking.comで効果的な料金設定を行うには、サイトが提供している「プロモーション」を使いこなす必要があります。
一体「プロモーション」とは何なのか。ここでお話していきます。
Booking.comはプロモーションで料金操作がベスト!
プロモーションとは、公式やご自身で作成することができる割引プランのことを指します。
何故、プロモーションを使って料金調整をするのかというと、Booking.comの料金設定は手間がかかり、Airbnbのようにスムーズには行えないからです。
Airbnbのように一括で編集することはできないので、1つ1つ選択して変更していかなければなりません。
1~2日とかならまだいいですが、1~2か月とかの月単位になると、生半可の作業量じゃありません。
Airbnbが便利すぎるという理由もあるのですが、まとめて選択して変更できないのは地味に時間がかかってしまいます。
このような作業に時間を割くのは惜しいですよね。
そこで役に立つのが上の画像の「プロモーション」と呼ばれる割引キャンペーンです。
早割や直前割、期間限定セールのような割引など、様々なキャンペーンを使って料金をコントロールすることができます。
主にのプロモーションで割引して料金を調整するのが、Booking.comでは1番有効な料金設定方法です。
また、プロモーションと称して割引を実施しているため、
「おっ、お得になってるじゃん」
とゲストの興味を惹くことができます。
積極的に使っていけばゲストの予約が増えて、稼働率のアップが見込めますよ。
公式プロモーションと自作のプロモーション、どっちがいい?
プロモーションには、
・公式が配布しているプロモーション(上の画像は公式のもの)
・ご自身で作成できるプロモーション
の2種類が存在していますが、公式が配っているものを使った方が予約が入りやすい傾向があります。
これはあくまでも経験則の話になってしまうのですが、おそらくホストが作った物よりも検索に上がりやすいというのが理由なのでしょう。
公式のプロモーションやセールは下の画像のようにサイト内でピックアップされることがあるので、ゲストの目に止まりやすいのも特徴です。
もちろん、公式にはない割引(直前割や長期滞在割引)などを実施したい場合はご自身で作成するのも1つの手ですが、通常時の料金調整に関しては公式のプロモーションを使うのが吉です。
ぜひ参考にしてみてください。
民泊の料金はリスティングの要!!最適な価格を設定しましょう!
私が今までに結果を出してきた料金設定の基準、AirbnbとBooking.comの料金設定の方法についてお話いたしました。
このやり方で行えば、もっと稼働率を上げたいホストも料金設定を調整する経験がない方でも料金設定のやり方、結果を出していけると思っています。
もう一度、要点をまとめると、
・基本料金は周囲の類似した民泊を参考に設定する
・始めたての頃は2~3割やすく設定。レビューを集めて物件を育てる
・Airbnbの料金設定は赤い点を参考に平均よりも高く、Airbnb基準で高くない料金を探せば外すことはない
・Booking.comの料金設定は手間がかかるので、プロモーションを上手く活用して集客を行おう
その他にも重要なことはたくさんありますが、最低でもこの4つだけは覚えおいてくださいね。
「泊まりたい!」という部屋があっても宿泊料金が高いと他の部屋が選ばれてしまいます。
集客が行える民泊とは、部屋の質と料金設定が釣り合ってこそ生まれるものなのです。
なので、新しい物件のリスティングを育たい方や、レビューがまだ少ない場合、上記の料金設定を意識していくとゲストが泊まってくれる可能性がグンと上がり、
高レビューも集まりやすいです!
この記事を参考に、多くのゲストが泊まりたくなる部屋を作っていってくださいね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
「撤退するんじゃなくて今をなんとか持ちこたえたい」
こんな声を多数いただきました。
これを受けて、海外ではなく国内民泊利用者の集客に目を向けた「無料のホスト応援プラン」の提供を開始します。
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